交通事故の損害賠償といっても、その内訳には様々なものがあります。大きく分けると、財産権の損害賠償と財産権以外の損害賠償の2つがあります。このうち財産権の損害賠償は、自動車が壊れたり、仕事を休んだことによって給料が出なかったり、介護用品を購入しなければならなくなったり、というような様々な損害です。
他方、財産権以外の損害とは、精神的・肉体的苦痛による損害の賠償のことであって、これを一般的に慰謝料といいます。 交通事故による損害賠償=慰謝料ではありません。交通事故損害賠償では、それら項目毎に区別して考えます。
ところで慰謝料は、精神的・肉体的苦痛による損害賠償ですから、本来、人毎に異なるはずですし、その人が置かれた状況によって苦痛の程度も異なるでしょう。しかし判例では、交通事故のような同種・大量な事件処理において、被害者毎に公平に、かつ迅速に慰謝料の算定をするために定額化する努力をしてきました。(いわゆる相場の形成) その結果、交通事故の損害賠償においては、慰謝料はだいたいの相場といったものができています。
交通事故に遭ったとき、通常は保険会社から賠償金額が提示されますが、その金額が妥当かどうかは、普通の人はわかりません。なぜなら、交通事故は一生に一度遭うか遭わないか、という極めて稀な出来事だからです。
しかし、交通事故の賠償額について、何も知識のないまま示談交渉を進めてしまうと、保険会社の良いなりに示談してしまうことになります。
ところが、保険会社の提示する金額は、必ずしも本来もらえるはずの金額でない、ということをご存じでしょうか?私たちは交通事故の被害者からの依頼事件を多数扱っていますが、保険会社が提示する金額と解決金額を比べてみると、中には数千万円増額するケースや、何倍にも増額するケースがあります。
つまり、保険会社から提示される金額を信じてそのまま示談するのではなく、その金額が適正な金額かどうかをしっかり判断する必要があるということなのです。
そこで今回は損害賠償額のうち、慰謝料について、だいたい適正な相場金額をご説明したいと思います。これを知っておくだけで、保険会社から提示された金額が相場に近いものであるか、あるいはかけ離れたものであるかを判断する一つの目安となるでしょう。



